Esquire 2022.5月号 SUHOインタビュー
💬モンブランとの縁について話を聞きました。 すべてがコマーシャルであるこの時代には珍しいリアルストーリーでした。
🐰召集解除後、ファンに知らせるために手紙を書いてインスタグラムに載せたことがあるんですよ。 写真を撮る時横に普段使う万年筆を一緒に置きました。 写真にペンが本当に少しだけ見えたのですが、モンブラン関係者の方がそれに気付いたみたいです。僕が歌詞を書く時もモンブランペンで書くんです。
💬 そのペンが星の王子さまエディションだということはご存知でしたか。
🐰分かりました。友達がプレゼントしてくれたペンです。
💬あは!スホさんが星の王子さまを好きだと知ってくれてたんですね。
🐰幼い頃から星の王子さまが好きでしたから。 誕生日プレゼントでした。
💬「 星の王子さまは人生の様々な視点で見るたびにその内容が少し違う」というインタビューを覚えています。
🐰そうですそうです。 年を取って読むと、また違うんです(笑)
💬 来週の月曜日に『Grey suit』が公開されます。 聴いてみてからインタビューをしたいんですが、聴けなくて残念です。 今回のアルバムの主題は「時間」ですが、どんな時間ですか?
🐰実は召集期間です。 服務して過ごした時間 。1年9ヵ月間、ファンに会えなかった時間、その時感じて経験した感情をアルバムを通じて話したかったんです。
💬 グレスーツというタイトルがその時間についてのメタファーですか?
🐰 メタファーと言えます。「モモ」という小説から持ってきたモチーフです。 その小説を読むと人々の時間を奪う灰色のスーツを着た人々が登場します。
時間を盗む灰色のスーツを着た紳士たちと、彼らを追いかけ、再び時間を取り戻してくれる神秘的な女の子「モモ」の物語が小説の中心軸です。 童話ですが大人でも読める、時間の大切さを扱った小説です。1年9ヵ月間ファンに会えなかった時間が、ある意味では私にとって失われた時間のように感じました。 時間を盗んだ灰色のスーツの紳士たちをメタファーで借用してアルバム名で使ったんです。
その期間、他のメンバーたちが活動するのを見ながら「世界はあんなに美しく、こんなに早く流れるのに僕だけ止まってるんだな。僕が生きる今の時間は白黒なのに、あの世界はカラーなんだな」と感じたんです。
💬 僕の白黒時間についての歌としても見られるんですね。
🐰そうですね(笑)
💬 本がお好きなんですね。
🐰活動中は本をたくさん読めませんでした。僕がずっと「好きな本は星の王子さま」と言っていたのも、実はデビュー後に読んだ本が多くなかったからです。 デビュー前に読んで具体的に知っていてよく説明できる小説が『星の王子さま』で止まっていたんですよ。 活動してる時より服務期間の方が相対的に時間があったので、本をたくさん読みました。
💬男性は普通服務期間に本を一番たくさん読んでいるようです(笑)今回のアルバムの歌詞の中に、時間についての省察が入ったパンチラインはありますか?
🐰パンチラインとまでは言えませんが、‘너와 나 다시는 no more grey’と言ってファンに会ってグレースーツを脱ぐ内容の歌詞があります。 これまで白黒だったけど、もう一度カラフルになる内容です。
💬 6曲全曲の作詞に参加しましたが、一番気に入った歌詞はありますか?
🐰‘이리温’という歌の前半に「ある日君が僕に吹いてきて(中略)明るい光の下で僕が君を抱きしめてあげるから」というフレーズがあります。 首尾相関(始めと終わりが互いに関連があるという意味)で、最後の小節には「その日君が僕に飛んできて明るい笑顔を込めて君を抱きしめてあげるから」と書かれています。 前半には君が受動的に吹いてきて、明るい光がただあっただけです。 それが、後半部分の歌詞では、君は僕に能動的に飛んできて、僕も明るい笑顔を込めて抱きしめます。
💬偶然だと思ったのに、必然だったんですね。
🐰そうです。僕も君も、自分たちも知らないうちに偶然出会ったのですが、今はお互いを信じる存在になってお互いに近づくために能動的に動くという意味で「이리 온」としたんです。
💬 その歌の副題が「Bearhug」です。 ぎゅっと抱きしめてあげたい人に歌ってあげる歌ですね。
🐰僕が歌う時は、実は子供に歌ってあげるという気持ちで歌いました。「知ってる。あなたは大人になりたがってる」という歌詞があるんです。 でも、他の人たちを考えたりもしました。 例えば、「特に約束はないけど家に帰りたくなくて彷徨っている仕事帰りの会社員たち」に歌ってあげてもいい歌だと思って書いてみました。
💬 気に入ったメロディーは何ですか?
🐰一曲だけおすすめしたくないんですが、また「이리온 」ですね。この歌のサビに、少し高い高音部が出てきます。半音ずつ半音ずつ上がって感情を爆発させます。 多分、ありふれたメロディーではないと思います。
普通歌を聴きながら、僕たちは無意識的にメロディーの展開を予想するんです。「この音の次はこの音、またはあの音が出るだろう」って。また、その音の中で似合う音が出ると楽に聞こえます。でもこのメロディーは予想していた音ではなく、緊張感を誘発しながらも似合っていてよかったです。
💬 多くの作曲家の方々がこうおっしゃっていました。 一番いいメロディーは、予想を少しずらしていくんです。
🐰正確にそういうメロディーです。
💬 どの歌を書く時が一番悩みましたか。
🐰「Morning Star」です。 1番トラックです。 最初にこの歌を構想した時は「コンサートの舞台に立っている場面で目を覚ましてみたら、夢だということに気づく。 現実の僕は国家のために働いているけど、僕がいるべきところはステージの上」という内容でした。
そう書いているうちに結局「夢から覚めたくない。 夢にだけ留まっていたい」という結論が出たんですよ。 結局、他の作詞家たちと相談した末に覆すことにしました。 逆に服務期間を夢に変えたんです。 そうやって変えてから「僕を夢で起こして」という内容の歌詞が可能になったんです。 その過程に至るまで悩みが多かったです。
💬 作詞をしてからでしょうか? 手楽器にも関心が多いようです。 インスタグラムにギターの写真がアップされていました。
🐰服務期間から身につけているのでまだお見せするには不十分です。 いつかコンサートやファンミーティングでお見せしたい気持ちはあります。ギターは本当にずっと握っていると上達するんです。 レッスンを受けた時はそんなに伸びなかったのに、親知らずを抜いた時すごく上達しました。 親知らずを抜いたら英語の勉強もできず、歌の練習もできず、揺れると痛くてダンスも踊れなかったんです。 その時家にだけいながらギターをずっと握っていました。 親知らずを抜いて家にいるその3週間本当にぱっと効きました。
💬 なんだか、ギターの写真をアップしたポスティングに「C」と書いてあったんです。 完全に初心者なら「G」を握ったと思います。 でも本当に面白いのが、海外ファンたちの「Cは『キューティ』という意味」というコメントでした。
🐰(笑)その日がギターを買った日でした。
💬 最後のインタビューの一つが『バスケットボール人生』とのインタビューでした。 普段、スホぐらいのスーパースターが普段着を着てセットアップされていない状態で紙面インタビューに登場することはほとんどなくて驚きました。
🐰あの日のインタビューの主人公である'モ・ヨンフン'という友達は僕ととても親しくて。本当にとても親しいです。 僕が恵みも沢山受けたんですよ。 他の理由はありませんでした。
💬 本当の友情ですね。
🐰そうです。中学校の同じクラスで、その子も転校生、私も転校生でした。 その友達はバスケットボール部なので実は普通の学生たちと親しくなることがあまりなかったです。なぜか僕とはよく合いました。デビュー後もずっと連絡して過ごしました。 その友達もプロバスケットボールデビューをしたりもしました。 肘と膝の負傷が続き、選手生活をやめる時は本当に胸が痛かったです。 引退後にスキルトレーニングセンターを設けて始める段階ですが、少しでも役に立ちたかったです。
💬今年がデビュー10周年です。 スホさんは練習生まで合わせると…
🐰17年目です。
💬先ほど話した友人との関係が、私がスホさんを特別だと思う理由でもあると思います。普通のアイドルトラックだけを歩いてきた方と会ってみると「MTに行ってみたいです」「大学生活をしてみたいです」「実は友達が多くないです」と言います。 それに対し、スホさんは遥かに多様な関係とその関係で生じた様々な感情を感じたのです。
🐰そう考えると、僕は全部やってみましたね。実は練習生だったんですが、両親の影響で中高生の生活も本当に一生懸命しましたから。
💬 どんな時代に経験した感情が一番多様だったと思いますか。
🐰高校3年生から大学1年生までです。 その時SHINee先輩たちがデビューしました。 僕と一緒に練習していた先輩たちがデビューしたんです。 その時、僕は足の怪我も負って、いろんな理由でデビューが延期された時代でした。 その状態で大学入試を準備したのです。 高3は大変じゃないですか?
💬 もちろんですよ。大変です。 韓国人には一番しんどい1年です。
🐰本当にすべてを諦めたい時がありました。 両親と兄、そして演技の先生の激励のおかげで最後までやることができました。韓芸(韓国芸術総合学校)映画科でその時出会った友人たちが今はみんな売れっ子俳優として活動中です。 その友達とOTにも行ってMTにも行って大学生活を楽しみました。
💬 わ…本当に楽しかったでしょうね。
🐰(笑)その1年を本当に楽しく過ごしました。
高校3年生から大学1年生までが、今までの人生の喜怒哀楽が最も圧縮的に盛り込まれている感じです。
💬今本当に幸せな表情をしていますよ。
🐰本当に楽しかったからです。
💬 “グローリーデイ”のサンウなどを演じるのを見て、スホさんは感情の図書館の中に本物の感情を集めた人だと思いました。 僕が合ってましたね。
🐰ありがとうございます。実は旅行地ではできれば地下鉄やバスに乗ります。そういう日常の感情を感じることが旅行に行く大きな理由の一つでした。
💬 そしたら幸せですか?
🐰(笑)そうですね。 見知らぬ都市の地下鉄路線表も探してみて、バスも乗ってみることが全部幸せです。
💬 スホさんのフィルモグラフィは長くはないんですが、一緒に過ごした俳優たちの面々がすごいですね。彼らと知り合いだという事実だけでも心強いでしょう。
🐰“グローリーデイ”チームの友達とは本当に親しいです。青春映画なので同年代たちと出演して、監督を含めて仲間のように親しくなりました。 まだ団体メッセージルームがあります。この前開かれたジュンヨリヒョンの写真展にも行ってきました。
💬国際で開かれたライカ展示ですか。
🐰はい、先週行ってきました。 そのチームとみんな仲良く、ハギュニヒョンとも親しいです。
💬 シン・ハギュンさんにハギュニヒョンと呼べるというのが本当に羨ましいですね。本当に多くの人が演技の神だと言いますよね。
🐰僕が幼くて演技に関心を持って勉強を始めたばかりの時から、シン・ハギュン先輩の演技を見ながら育ちました。”共同警備区域JSA”“復讐は私のもの”を見て感嘆しました。
それで“선물 ”で会った時は芸能人ではなく尊敬する偉人に会った感じでした(笑)
💬“선물 ”これは本当は実はショートフィルムなんですが、シン・ハギュンさんはそんな中でもすごい熱演をされていましたね。
🐰ホ・ジノ監督もとても良かったです。 俳優だけでなく制作陣とのケミまで良ければ本当に楽な演技ができると思います。僕の場合は“グローリーデイ”と“선물”がそうでした。
💬私は“선물 ”でハヌルがスホだとは分かりませんでした。眼鏡をかけた工科大生の役割を本当に完璧に果たしたので。
🐰本当にただの工科大生として見てくださるなんて、ありがとうございます。(笑)
💬 この前はセフンさんに会いました。 その時もそうだし、他のインタビューでもセフンさんがスホさんに対する愛情を露わにしていましたね。セフンはスホにとってどんな存在ですか?
🐰実の弟?もちろんメンバーたちもみんな大切ですが、セフンは特別です。とても幼い時から見ていたんですよ。5~6年間、同じ部屋を使ってもいました。相部屋を使っていた他のメンバーたちが、各自の部屋を使うと言って独立した時も、僕たちは一緒に使いました。 セフンに聞いてみたら、一人で寝るのが怖いって言ってました。
「ヒョンが不便なら一人部屋を使ってもいいけど、僕は一緒に使った方がいい」って言うんです。 断ることができなかったし、セフンは僕がいつも抱きしめてあげる存在になりました。
💬 わぁ、それは本当に愛情ですね。 いつ初めて会いましたか?
🐰初めて会った時、セフンが小学6年生でした。僕は高校1年生でした。 今はただのヒョンだけど、その時は僕の目もちゃんと見れなかったんですよ。まず僕より背が小さかったです。 今はすごく大きくなって僕が目も見れません(笑)
💬 もうスホ人生の3ラウンド目が始まったみたいです。 EXOデビュー、ソロデビューまでが2ラウンドだったとしたら、ポスト召集解除が3ラウンドというわけです。どんな感じですか?
🐰やりたいことを全部やる3ラウンドになるんじゃないですかね?意地ではなく自分の確信が大きくなったんですよ。
10年間活動をしながら自身について本当によく分かるようになりました。僕の長所は何で、短所は何か。足りない部分、補完すべき点は何か。 また補完できる点は何なのか。10年間僕を知り、2年間自分が足りない部分を補完したので、これからは僕ができると思うことは何でも試してみることができるという確信があります。
💬 確かな自己認識が自己確信であるわけですね。
🐰そうです。
💬 できることとできないことを明確に知っている己を信じる。 ちょっと飾ってみると本当に素敵な言葉ですね。ところで今スホの位置でもまだ叶えたいことはありますか? 誰かにとってはスホが夢だと思いますが?
🐰音楽で見ればスホだけの色が生まれ、誰が聞いてもスホの音楽だということが分かる僕のジャンルを作りたいです。今回のアルバムが終わったら、作曲に挑戦してみる計画です。 俳優としては、ハリウッドという空間で作業してみるのが夢です。すでに多くの先輩たちがいらっしゃるじゃないですか。彼らのように素晴らしい作品の大きな役割ではなく、グローバルな俳優たちとハリウッドシステムの中で作品を作る経験を必ずしてみたいです。
💬なぜか今日言った言葉が自己成就的予言になりそうですね。
🐰ありがたい話ですね。