この10年近く、キムジュンミョンはスホという芸名で知られてきた。
男性K-POPグループEXOのメンバーで、芸名は"守護者"を意味する。2012年のデビュー以来、EXOは韓国において多くのヒットを記録し、アルバムは世界中で何百万枚もの売上となった。こうして彼は世界各国でパフォーマンスをしながら20代を過ごしてきた。
今、彼は初のソロアルバム"Self-Portrait"で、もっと彼自身を見せようとしている。
月曜日(3/30)に、EXOの楽曲の基盤であるダンスやR&Bのサウンドから離れ、新しいEPでロック中心のオリジナル曲6曲を通じて、新たな一面を見せる。
アルバムは、スホのグループ内でのアイデンティティを盛り込んだものだが、新しい音響的要素も取り入れながら展開している。 SH2Oというペンネームで作詞する28歳の彼は、タイトル曲“사랑,하자 ”でリードする、ソフトでインディーズロックの染み渡る音で世界観を共有している。
タイトルはEXOとファンの合言葉にインスパイアされており、スホが追い求めながらも完全には達していない愛について歌う、爽やかで甘やかな曲調が情熱的だ。この曲はロマンチックなポップロックのバラードであり、世界中のEXO-Lに向けたメッセージでもある。
公開に先立ち、スホはビルボードに自身の思う"自画像"について話してくれた。
Q.Self-Portraitの公開を控えての感想は？
A.すごく緊張します。(発売日に対して)
なぜなら初のソロアルバムで、EXOのメンバー無しでやっているので、緊張しますがとてもわくわくしています。新しいスタートみたいです。
今回のアルバムと歌を、多くの方々に気に入って頂ければと思います。 韓国のファンの方々だけではなく、全世界のファンの方々に楽しんでもらいたいですね。
Q."自画像"というアルバムなので、 とても個人的な感じがしますが、最初のソロでこのコンセプトを披露したきっかけは何ですか？
A.このインスピレーションは、ヴィンセント·ファン·ゴッホの"自画像"から生まれました。 スイスとパリで初めて見たのですが、ゴッホにとってその絵は恐らく人間として大きな意味があったのでしょう。
僕は画家ではないので、ゴッホが自画像で自分の内面を描いたように、このアルバムを僕の自画像として自分を表現したいと思いました。
Q.ゴッホは、自分自身に様々な側面を反映させるため、様々な自画像を描き、自分自身を見詰め直すようにしていました。このアルバムは、アーティストのあなたとしても同様に思いますか？
A.はい、その通りです。そう思います。今回のアルバムを通じて、人々の目に映る自分だけでなく、内面についても考え、さまざまな面を見せることができました。
Q.アルバムジャケットは4つの異なる自画像で構成されていますが、あなたは自身の中に4つの側面があると感じますか？それともそれほど具体的ではないですか？
A.正直なところ、僕の性格には4つ以上の側面があると思います。多くの側面があります。 様々な側面を持ちながら、それを4つの自画像に表して本質を表現できるように努めました。
Q.この4つの側面には何か意味がありますか?
A.初めてこのコンセプトでいきたいと頼んだとき、自分としてはあまり深い意味はなかったのですが、スホならではの四季を視覚的に表現したいと思いました。
Q.好きな季節は？
A.春です。
Q.アルバムに収録されている4枚の画像と共に、うさぎ耳をモチーフにした自画像を描き、それがTwitterの絵文字になっている。 そんな自分の一面を、アルバム自画像のプロモーションコンセプトの一環として見せるのはどうですか？
A.うさぎはEXO-Lからの僕のニックネームなので、 僕にとって大きな意味があります。 EXO-Lと直接コミュニケーションを取っている時はその時にこのニックネームが浮かびますが、今回のアルバムはファンの方だけではなく、多くの方々に聴いてもらえるようにしたいので、(うさぎ耳の自画像は)入れていません。
だからうさぎの耳の絵と絵文字は、ファンやEXOのメンバーが分かるしるしなんです。
Q. このアルバムはファンだけを対象にしたものではないということからも、EXO-Lを超えて、大衆が“自画像”を聴いて楽しむということが、スホさんにとって重要なようですね。
A.はい、今回のアルバムの収録曲は世界の人々が慣れ親しみ楽しんでいるジャンルであるバンドサウンドです。EXOのアルバムが普段持っているダンスミュージックの力強いビートがないので、誰もが心地よく聴けるアルバムだと思います。
Q. あなたにとってバンドサウンドは大衆が好きな音楽だとおっしゃいましたが、特に好きな音楽でもあるのですか？
A.もちろん。僕はコールドプレイが大好きです。彼らの音楽は僕に大きな影響を与えています。
Q.なぜ"사랑,하자"という曲をアルバム“自画像”のタイトル曲にしたのですか?
A.このアルバムの中で一番好きな曲です。そしてタイトルにはEXOがステージに上がる前に "사랑하자!" と声掛けをするスローガンの意味があります。
普段僕たちが励まし合う時に使っていますが、僕が人々に伝えたい“愛し合いましょう”というメッセージでもあるんです。
Q.それでは、Self-Portraitの6曲を聴いた時に受け取って欲しいメッセージはありますか？
A.正直、今回のアルバムは1つのメッセージを込めたものではありません。でも、6つの曲をつなぐテーマがあります。誰もが傷つき、その爪痕が残っている。それでも、僕たちは愛し合うべきではないでしょうか？
これは僕の音楽を聴いている人たちに僕が投げかけたい質問です。
Q.今回作詞作曲に携わり、作詞家としてクレジットされていますが、特に注目して聴いてほしい歌詞はありますか？
A.トラック6"너의 차례" 人生のなかで、感謝している人にきちんとありがとうと伝える機会を逃すことがよくあるじゃないですか。時々振り返って、"ありがとう"と言えなかったことを後悔するんです。だから、感謝の気持ちを伝えるために、遅くなったとしても"ありがとう"と言いたいです。 そして、みんなに同じように感じてもらいたいです。"ありがとう"と言うのに遅過ぎるなんてことはないのです。
Q.後悔が多い方だと思いますか？
A.はい、多いです…多い。(頷いて)人って時には両親にも感謝する機会を逃すことがありますよね。僕はそんな種類の後悔があります。
Q."For You Now"でユンナさんと一緒に作業したじゃないですか。どうしてそのコラボレーションが生まれたのですか？
A.僕はユンナさんと個人的に交友はありませんでしたが、以前から彼女の歌がとても好きで尊敬していました。なので彼女に連絡して、僕とコラボしてもらえないかと尋ねました。 歌そのものについて、彼女はとても素晴らしい歌手です。 音楽的にも叙情的にも表現力豊かでその声の表現力は期待以上のものでした。
Q."Self-Portrait"という曲がありますが、アルバム名にもかかわらずタイトル曲ではないですね。 "사랑,하자"対"자화상 "でタイトル曲を決めた理由は?
A.アルバム名ですが、周囲の人が“사랑,하자 ”を聴いた時、こちらの方がより楽しんでもらえたんです。その言葉自体にも意味があるので、それを強調したいと思いました。
Q.今回のソロアルバムで、ソロアーティストであるスホとEXOのメンバーであるスホのアイデンティティを合致させることは、このタイトルを選ぶ中で重要でしたか？
A.今回のアルバムを作る時、特にEXOのメンバーとしてのアイデンティティを強調しようとはしませんでしたが、自画像を描き始めたとき、EXOは僕という1人の人間としてこの10年間で重要な存在でした。なので、僕のアイデンティティのそれが歌詞やアルバムに表れるのは、 当然のことでした。
Q.このアルバムを作り上げるにおいてのプロセスと内に含んだ意味合いについてはどのようなものでしたか？
A.この3ヶ月間、韓国のアーティストや海外のアーティストの音楽でも、ロックの音楽だけを聴いて、今回のアルバムの雰囲気を盛り上げるためにダンス音楽やR&B、ジャズ音楽を聴いていません。 僕は音楽だけでなく、彼らの歌詞へのアプローチも注意深く読みました。
また、どんなストーリーを表現したいのか、どんなメッセージを伝えたいのか、友人との対話にたくさん時間を費やして、僕と友人が同じように思う、あるいは共感するものを見つけました。それで、それらが組み合わさってこのアルバムが作られたんです。
Q. このメッセージについて、友人に意見を聞くために沢山話したということですが、アルバムは"自画像"といいますし、実際に芸術的な形式では外部の人の視点はあまり考慮されていない。 あなたの考えを友人らと話し合うことは、特に重要でしたか？
A.友人と話をして過ごした理由は、僕の友人は自分自身さえ知らない僕の一面を知っているからです。 自画像や僕の物語であっても、友人や他の人達がそれに何のつながりも感じられなければ、影響も意義も感じられないかもしれませんから。なので僕はこのプロジェクトについて友人や他の方達と話し合いました。
Q.もう長いキャリアをお持ちですよね。 なぜ今あなたの一面を世界に伝える時だと考えたのですか？
A.EXOのメンバーとしてのキャリアは10年近く、もうすぐ30代になるので、20代の人生を語るのに良い時期だと思いました。
Q.さっき、アルバムの発表は緊張すると仰ったじゃないですか。あなた自身の新しい一面を示すことに、特に不安はありますか？
A.皆さんEXOとしての僕を知ってくれて、 EXOのメンバーというイメージで覚えてらっしゃるじゃないですか。でも今回リリースするアルバムで違う音楽ジャンル、そして今までのイメージと異なる僕を見てファンも大衆の方も少し驚くかもしれません。 僕は今回のような音楽スタイルがとても好きで、このアルバムのスタイルに自信を持っていますが、ファンの皆さんや一般の皆さんにも、少し時間をかけてトラックの歌詞を見てもらいたいと思います。そして、1曲から6曲まで聴いたあとには、気に入って頂けると確信しています。
Q. 今回のアルバムに対する理想の反応は？
A.EXOのスホを知らなくても、このアルバムを聴くだけで歌を気に入って、ファンになってほしいです。 プロやアマチュアに関わらず、バンドをする方にもこのアルバムを楽しんでもらいたいです。それがすごく良いですね。
Q.アルバムは3月末に発売される予定ですが、残りの数ヶ月を想像して、2020年がどのようになればいいでしょう？
A.あぁ、難しいですね。メンバーともEXO-Lとも大衆の方とも、皆さんと疎通して繋がっていきたいです。 2020年に多くの共感的な繋がりがあればいいなと思います。
