犬生の気高さよ

君を忘れない

郷愁の函館旅_day3

函館3日目の朝である。
昨夜の雨雲はすっかり消えて、くっきりとした青が美しい快晴だ。

本日の目的地は大沼公園
大沼公園函館駅から特急で15分程の距離にある大きな国定公園で、大沼団子が名物である。
この旅はたっぷり時間があるので大沼公園をゆっくり散策して午前中を過ごすことにした。

特急北斗に乗って大沼公園


車窓から見える線路と湖の景色が素晴らしい。
位置的に恐らくここは小沼湖。


大沼公園駅に到着!

駅舎を背にした風景


観光案内所に入ってみると、大沼公園の野鳥たちの写真があった。わたしはこういう掲示物を見るのが好きだ。

今から向かう場所にはこんなに沢山の鳥が生息しているのだと思うと嬉しくなる。

さて、大沼公園での1番の目当ては駅舎のすぐそこにあるこちら

沼の家

ここが有名な大沼団子のお店である。

10年以上前にも大沼公園まで団子を食べに来たことがあるが、ゴールデンカムイで鶴見中尉が食べていたのを見て久しぶりに食べたくなっていたところなので、今回の旅はタイミングがよかった。

大沼団子は醤油と餡、醤油と胡麻の2種類ある。

醤油はいわゆるみたらし団子で、餡はこしあん胡麻はごまあんである。
優柔不断なのでこれにもしばらく悩んだが、今回は醤油と餡を購入した。

賞味期限が当日中なので、2種類とも購入するということが出来ないのだ。ここは1人旅のデメリットと言える。
複数人で訪れる人はどちらも購入することをお勧めする。こしあん胡麻もとても美味しいので。

ちなみに賞味期限を気にせず翌日食べても特に問題はないが、1日経つと団子が硬くなってしまって格段に美味しくなくなるので全くおすすめしない。
購入してすぐに食べるのが1番美味しい。


時間があるので、駅から少し歩いて大沼公園内を散策する。
以前訪れた際は真冬だったこともあり、沼の家で団子を買ってすぐに函館へ戻ったので、今回初めて大沼公園内に入った。

公園内に入ってすぐは舗装された広い道で、食事や土産屋、貸しボートの小屋が並んでいる。

スワンボート、乗りたかった…


日本新三景 大沼国定公園

天気が良かったので、湖に空が反射してますます綺麗な景色だった。


ここはあの有名曲“千の風になって”誕生の地らしい。


舗装されていたりされていなかったりする道をずんずん歩く。

この美しい景色を見てほしい




散策途中道路に出ると、ちょうど前の線路を電車が走り抜けるところが見れた。

しっかり1時間半近く歩いて、出発地点に戻ってきたので、売店に入ってみた。
TERUのサインを発見。函館のどこにも彼が訪れた形跡があって笑顔。

熊の剥製(なのか?)が売っていた。130万円なり。

有酸素運動をした後に食べるじゃがバターと大沼ビールは格別に美味い。

そのまま外で大沼団子も食べた。


そうだこの味だ。
繭のような小さな団子がもちもちとして美味しい。

大沼公園を十分楽しんだので、函館に戻る。
駅舎にいるキツネが可愛い


鈍行で帰ってもよかったが、往復の特急券を買っていたので、帰りも特急北斗に乗って函館へ。

大沼公園近くの山川牧場のコーヒーミルクを飲みながら帰る。

ホテルでしばらく休んでから昼食を取りに出かけることにした。
わりと歩いて疲れたのでこのままちょっと寝ようか…という気持ちも芽生えたが、まだまだ目的地は多いのだ。
立てた予定通りに行動するのがわたしの旅のスタイルなので、怠惰な己を引っ叩いて市電に乗った。

本日のランチはこちら。

カリフォルニアベイビー

函館市民にはお馴染み、函館のソウルフード・シスコライスだ。

ご飯にフランクフルトが2つ乗って、上からミートソースがかかったジャンキーなお味。
このポテトサラダも好きだ。

ご飯がわりと大盛りで、ただでさえ食べたいものが多い旅なので、出来れば2人で1つを食べるぐらいが理想だが、わたしは孤独のグルメ旅なので1人で米粒ひとつ残さず完食した。


今日の目的地は全てベイエリア方面なので、このまま腹ごなしに緑の島まで散歩に行くことにした。


北海道第一歩の地碑

看板もなんだかお洒落

函館港

緑の島へ向かう橋、な、懐かしい…

雨に降られてライブ後にびしょびしょで震えながらホテルへ帰った記憶が鮮明に蘇った。

これだ!この函館山が聳える景色、9年ぶりである。

2013年にわたしが行ったGLAYの函館野外ライブ
GLAY Special Live 2013 in HAKODATE『GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT VOL.1』が行われた会場なので、この場所には一方的な思い入れがある。

普段は花火の打ち上げ場所になったり、市民の憩いの場になっているらしい。
エモーショナルな気持ちで立ち竦むの女、市民からしたら少し怖いだろう。

春の陽光で芝生の緑とたんぽぽの黄色が映えて美しい。


ベンチがとても可愛い

時計台も港らしくてお洒落

たくさんの船が停泊している


まだまだ時間があるので、ベイエリア近くに戻り函館市北方民族資料館に入ってみる。

アイヌの衣装や弓矢、暮らしの様子が展示されていて、ゴールデンカムイで興味を持った人は楽しく過ごせる場所だと思う。





館長の愛を感じる文章も良かったので、函館で時間がある人は是非足を運んでみてほしい。


そして歩いていて見つけたwinnig hall跡地…!

これは私が高校一年生のころ、当時あったGLAYの展示会のために初めて一人で遠征してきた思い出の建物なのだ。
地元民にはなんでもない建物も、ある人にとってはとても思い出深い場所であることはままあるが、それってなんだかとてもいいなぁと思う。
今は何にも利用されていなさそうだが、このまま取り壊さずに残していて欲しい。


ところで、函館市電の一日乗車券の便利さをお伝えしたい。
ウェブで購入できて、そのままブラウザで利用できる。

降りる時に「改札」をタップすると、そこから10分間この画面になって、降りる時に乗務員に提示するだけでok。
オンラインで購入出来て、全てがスマホのブラウザで完結する手軽さがとてもよかったので、公共交通機関を利用する函館旅行者にはおすすめしたい。


さて、次なる目的地は本日のハイライト、御目当てのカフェ2箇所へ向かう。

市電の終点、「どつく前」で降りて、15分ほど歩く。
タクシーで向かっても大した額ではないのだが、ダイエットも兼ねて歩いておきたかったので今回は市電で向かった。


住宅街に突然現れた立派な寺

中国人墓地の海へ向かう素敵な門構え

お目当てのカフェ1つめはこちら、モーリエ。



ハーバービューのこのレトロなカフェは、TERUおすすめの場所ということでGLAYファンにも人気の場所。

カフェの連絡ノートにはTERU本人のメッセージもあり、彼のらしさに笑ってしまった。


そしてこのブログを書いている途中で、偶然にもTERUがこのカフェに行く動画がアップされたのでご紹介。
https://youtu.be/xp3A68pQC6M
写真よりも雰囲気が伝わるので、興味がある方は是非見てみてほしい。


海に向かう席は、この時間帯はとても眩しい。
それでもこの景色をずっと見ていたくて、手で日差しを避けながら海を眺めていた。

このカフェの有名なメニューはピロシキとロシアンティー

焼きたてのあっつあつのピロシキに暖かいロシアンティーがぴったり!

具沢山で生地もとっても美味しくて、今まで食べたその辺のピロシキとは比べ物にならない。
上に乗っているのはローズマリー?これもアクセントになっていてとても良い。
これは冬の寒い日にまた必ず食べに来たい。

雲の動きと海をしばらくぼうっと眺めて、“何もしない”という贅沢な時間を楽しんだ。

このカフェは地元民にも人気なのだろうか?
店員さんも穏やかで親切で、ゆったりとした素敵な時間が過ごせたので、一気に大のお気に入りの場所になってしまった。
函館旅行を計画している人がいたら、必ず工程に組み込んでほしい。絶対に「来てよかったなぁ」と思えるはずなので。

夕焼けが近づいて来たので、次の目的地へ向かう。


ティーショップ夕日

またカフェか!という感じではあるが、ここはここで別の目当てがある。
こちらは日本茶がメインのカフェ。

お茶を頼むとお茶菓子が付いたセットで出てくる。
急須には2杯分ぐらいのお茶が入っているので、600円程度で3杯分ほど飲める上に茶菓子がついてくるという、価格破壊セット。

目当ての海辺のテーブルは埋まっていたので、一度店内の席に通されたが、店員さんからは「海辺の席が空いたらお声がけしますので移動できますよ」とのありがたいお言葉。

そう、この“ティーショップ夕日”は、その店名の通り日没まで営業していて、海辺のテーブル席から海に落ちる夕日が見られるという素敵なカフェなのだ。

店内の雰囲気も素敵。


しばらくすると窓際の席が空いたので、お言葉に甘えて移動させてもらった。


しばらくはこうして窓越しに夕日を楽しむが、日没が近づいてくると店員さんが店から外に向かうドアを開放してくれる。

外に出て暮れゆく夕日を眺めていいですよ、という趣向なのだ。




水平線に落ちていく夕日をずっと眺めていると、函館という街の美しさに少し泣けた。
海と夕日という組み合わせは何故かくも涙腺を刺激するのだろうか。


18:30頃に日が暮れるまでゆっくりと過ごさせてもらった。

このティーショップ夕日も、函館旅行の際には是非足を運んでほしい場所のひとつだ。
海に沈む夕日のヒーリング効果を全身に感じて、心の洗濯をしてもらいたい。

注意したいのは、海辺の席は90分制なので入店から日没までに90分経ってしまうと退席しなければならないので、結局海辺の席に座れるかどうかは運の要素があるというところ。

大満足でちゃぽちゃぽの腹を抱えて、市電までまた歩いて戻る。

夜の函館山


前日に行った鮨屋のおかみさんが、函館で1番好きな場所は公会堂の前から見下ろす街の景色だと教えて下さったので、帰りがてらそちらに寄り道することにした。


北海道庁函館支庁庁舎

旧函館公会堂

美しい建物!青と黄色の組み合わせは最高に可愛いと思う。


公会堂から見下ろす函館の街。


この時点で19:30頃。
夕食を食べるほど空腹は感じていなかったので、最後の夜にずっと行きたかった場所に行くことにした。

函館あうん堂


このライブハウスはGLAYが函館のアマチュア時代によく利用していた場所で、ファンの中では有名も有名。
普段はライブハウスとして、ライブの無い日はバー営業をしているとのことで、最後の夜にここで一杯飲もうではないか、と決めたのだ。

高校生の頃初めて函館に行った時は足を踏み入れられなかった場所。昔はバー営業はしてなかったんじゃなかったか…
少し緊張しながら階段を登ると、こぢんまりしたフロアとバーカウンターが見えた。
スクリーンには前回TERUとTAKUROがここで行った配信ライブの映像が流れていて、先客が居ない中でもすでに歓迎ムードで、なんだかホッとしたのを覚えている。


オリジナルカクテルとチーズいか。


このチーズいかのおつまみ、ひとつ口に入れた途端思わず「うま!?」と声に出たレベルで美味しかった。
「三協印カトウ食品 カマンベールチーズ入り真イカ」という商品らしく、空港にも売っていたので酒飲みの方に強くオススメの商品。

ステッカーはGLAYファンに配布しているらしく、マスターが下さったもの。


ライブハウスの上には楽屋があり、そこに高校生当時の彼らの落書きが残っている。
これまたファンの中では有名なものだが、現在は開放しているので良ければ見て行って、とありがたいお言葉を頂いたので、お邪魔させてもらった。

木造の古い階段をギシギシと鳴らしながら登りきったすぐ左手にあった。

この大きいスプレー文字が高校生当時の彼らが書いたもの。
その下には高校生当時の彼らのライブの様子や現在の写真にサインを入れて飾られていた。

1990年!わたしが生まれる前だ。

階段の右手には短い廊下があり、その先に楽屋がある。
この廊下は屈んで歩かないといけないので、長身の人はかなり大変。

まさに屋根裏部屋という感じ。
この年季の入った小さな木造の部屋には、色々な人の人生の一瞬があるのだと思うと、部外者ながら感慨深くなる。

世相を反映したなんとも味のある落書きが良い。


一杯だけ飲んで帰るつもりが、マスターとの会話が楽しく、結局1時間ぐらいゆっくりしてしまった。
初対面の人と一対一で会話するというのは個人的に非常に疲れることだが、マスターの物腰が柔らかく穏やかで、どこかタクローさんと似た話し振りだったので、負担にならず非常に楽しい時間を過ごすことができた。

今度は夜のコーヒーも飲みたいので、また函館に訪れた際は伺いたい。
GLAYファンでなくとも、静かな函館の夜をお酒と共に過ごしたい人にも、是非ともおすすめする。


ここは函館駅にも近いので、満たされた気持ちのままゆっくり歩いてホテルへ帰った。


この日の歩数は20783歩。